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樹木希林を生きる

NHKドキュメンタリー - NHKスペシャル「“樹木希林”を生きる」 nhk.or.jp/docudocu/progr…


再放送は10月2日(火) 午後11時55分〜 #樹木希林を生きる


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素晴らしい作品を見させていただきました。

言葉の一つ一つが重かった。
これからの私の人生の支えになるかも知れない。

頑張って生きなくては!

ご冥福をお祈りいたします。


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by kkagayaki2 | 2018-09-26 21:03 | テレビ 映画

3時間あっという間

スポーツやめったにないよさ気な番組以外は、テレビなど見ない私が、
いつもの入浴、洗髪後夕食を、順番を変えたおかげで三時間もしっかり見てしまいました。
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これは中高生が見る番組なんですよね。
ジャニーズのファンでもV6のファンでもない私が見てしまったのは、
いくらテレビのやらせが横行していることを知っていたとしても、
久しぶりに大声を出して笑えたからではないでしょうか。
これ終わったらお風呂なんて思っていたら、8時過ぎても続く、「2時間かぁ、9時から風呂でもいいか」
だったはずが9時過ぎても続く、ツィーターで確認したら3時間なんですよ。
中高生の見る番組を婆さんが一緒になって、しっかり見てしまった。(笑)


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でもね、この6人嫌味がないのがいいですね。個人個人で活躍しているので知ってはいましたけれども。
それと中高生ぐらいのエネルギーって凄いですね。ああいう時代が私にもあったんだなんて思い出しながら見てました。
何か1年に一度の番組らしいですね。


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また就寝時間が遅くなりました。明日は朝から雨で行きたくないんですけど、
そんなことも言ってられませんね。
笑うことはいいことです。特に声を出して笑うって健康にいいと思います。
ひな壇芸人たちの不快な笑いとは違います。
今日は熟睡出来そうかな?
おやすみなさい!



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by kkagayaki2 | 2018-09-25 00:08 | テレビ 映画

樹木希林さん死去 「生きるも死ぬも、面白がらなきゃやってられない」生前、死生観を語る 【後編】
樹木さんは昨年、自身の死生観についてAERA編集部に赤裸々に語っていた。その貴重なロングインタビューを再録する。

*  *  *
「死ぬときぐらい好きにさせてよ」という、宝島社の広告コピー。あれは私とは違うの。私はふだんから好き勝手しているから。逆に広告の反響が大きくて、驚いたわ。世の中の人はみなさん、そんなに辛抱して暮らしているのかって。最初、話が来たときは顔の部分だけ合成するのかと思ったら、すごいセットを作るじゃない。本当に水に入ったのよ。宝島社も元気よねぇ。

 死体の役は全然平気。映画「わが母の記」でも棺桶に入ったけれど、ご遺体の鼻にはふつう脱脂綿が入っているじゃない。「だから入れて」って監督に言ったほど。映画「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」もがんと闘病して亡くなるお母さんの役で、私もそのころ既にがんになっていたけれど、役と自分の状況がオーバーラップしようがそれはそれ。別ものなの。

●好きなのはギャラ交渉

 私は(放射線治療で)薬はなにも飲んでいないの。で、よく人に聞かれるのよ。「夜は眠れますか?」って。「はい、よく寝ますよ」。「薬は?」「飲みませんよ」。食べる物も自由。お酒も控えていない。そうすると「じゃあ、あなたは一体なんなんですか?」って言うから「全身がんですよ」って。でもそれは事実なのよ。

 鳥取でホスピスをなさっている徳永進さんと谷川俊太郎さんとで、死をテーマに語る会が少し前にあったの。そこで話した知り合いのエピソードなんだけれど。その家の娘さんは海外生活が長い方なのよね。お父さんがいよいよとなったときに家族みんなで駆けつけた。で、「パパ!」「起きてよ!」ってみんなで必死に願うじゃない。心電図のモニターの波がツーツー、ツーーーって消えそうになると。でもって、そうすると何か聞こえるらしくて、ツーツーってまた波が戻るんですって。「あぁ良かった」ってホッとして。で、またツーーーってなると、「パパー!」「生きてぇ!」ってなる。ところが、「パパー!」って何回も繰り返しているうちに、だんだんみんなくたびれてきちゃったのね。で、何度目かにまたツーーーってなったときに、娘さんが「パパ!生きるのか、死ぬのか。どっちかにして!」って。
爆笑だったわね。死をテーマにした会場中が。でもわかるわよね、この気持ち? さらにこの話は続きがあって、そのあと火葬場で待つじゃない。お骨になるまで。部屋で待っていると、1時間くらいして係の人が報告にきた。そうしたらその娘さん、「みなさーん、いまパパが焼き上がりました」って。

 面白いわよねぇ、世の中って。「老後がどう」「死はどう」って、頭の中でこねくりまわす世界よりもはるかに大きくて。予想外の連続よね。楽しむのではなくて、面白がることよ。楽しむというのは客観的でしょう。中に入って面白がるの。面白がらなきゃ、やってけないもの、この世の中。

 で、なに? 仕事で一番好きな瞬間はどんなときかって? ギャラの交渉をしているときよ。「えー、あ……」って。女優本人に直接金額を言わないといけないもんだから、みんな困っちゃうの。面白いわよぉ(笑)。

(構成/編集部・石田かおる)
https://dot.asahi.com/aera/2018091600018.html?page=2

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明日は敬老の日です。私も老人ですから終活はしているつもりでしたが
日々の生活に追われて、いつ死んでもいいようになんて言いながら多分生きたいんでしょうね。
災害対策の為に時間を割かれてばかりなような気もします。

覚悟がありません。「死んだことがないからわからないのよ」そりゃそうだ、
あの世がどんなところかわからないから恐怖心もある。

だけど、人はいずれ死ぬんだし、あの世の事を考えながら生きるより、
現世を一生懸命、少しでも楽しいことをみつけながら生きようと思いました。
朝日系のアエラの記事だけど、このインタビュー記事は良かった。

準備も何もしないうちに、わけがわからないうちに亡くなってしまうのが、
自然災害の被害者です。
他人事ではなく、いつか自分もと考えるのは当たり前のように、
災害が多くなっています。

死が近くなっている年齢です。いつどんな死に目に会うかわかりません。
だからこそ毎日、毎日、大切に生きていくつもりです。

時々は息抜きしながら、辛いことでも笑って流せるように努力したいと思います。

昭和はまた遠くなりました。



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by kkagayaki2 | 2018-09-16 23:14 | テレビ 映画 | Trackback | Comments(0)

5年前に全身のがんであることを公表しながらも多くの映画、ドラマで活躍していた俳優の樹木希林きき・きりん/本名は内田啓子)さんが9月15日、都内の自宅で亡くなっていたことわかった。享年75歳。夫はロックミュージシャンの内田裕也さん(78)で、長女は内田也哉子(42)さん、その夫は俳優の本木雅弘(52)さん。

 樹木さんは8月13日に左大腿(だいたい)骨を骨折し入院したが、最期は家族に看取られながら自宅で息を引き取ったという。

 樹木さんは昨年、自身の死生観についてAERA編集部に語っていた。その貴重なロングインタビューを再録する。

*  *  *
 アエラの取材依頼に当初は丁重な断りの電話があった。だが「こういう取材は今回きり」の条件で、樹木さんは「なんでも聞いていい」と重い扉を開いてくれた。

「老い」とか「死」とか、そういうテーマの取材依頼がたくさんきて、困っちゃうのよ。何も話すことなんてないんだから。「死をどう思いますか」なんて聞かれたって、死んだことないからわからないのよ。ひとつ(取材を)受けるとキリがなくなるでしょ。だから全部お断りしているんです。映画の宣伝のときは仕方ないけど。

 私がこういう取材を受けるメリットはどこにあるの? あなた方のメリットはわかるの。えっ、私の話で救われる人がいるって? それは依存症というものよ、あなた。自分で考えてよ。

 死はいつか来るものではなく、いつでも来るものなの、私の場合。全身がんですから。だから仕事も先の約束はしない。せいぜい1年以内。仕事の交渉は留守電とファクスで全部自分でしている。この間も「2年契約で」なんて話が来たんだけれど「とんでもない。よしてください」って言ったの。「そのほうがおカネ的にもいいでしょう?」って先方は言うんだけれど、「2年先(の命)なんて保証できない。持たせようと思うほうが苦しいから勘弁してください」って言ったわ。
●手土産、謝礼は不要

 ところがさ、以前聞いてびっくりした。聖路加(国際病院)の日野原さんは10年先まで計画が入ってるっていうじゃない。いま100歳過ぎていらっしゃるでしょ。あなた、そういう方を取材したほうが絶対いいわよ。私なんかより。

「(取材にくるとき)手土産は絶対に持ってこないで」って言ったけれど、それも毎回必死よ。「くれないで」って。だってお菓子を持ってこられたら、包装紙を開いて、箱を開けて、それをまた畳んで資源ごみに出してって。すごく手間じゃない。私は自分が食べたいケーキがあったら買いに行って、「箱はいりません」ってティッシュに包んで帰るの。映画会社が「ポスター、送ります」なんて言ってくることもあるけど、それも「送らないでください」って。切ってメモ帳にするの大変でしょう。

 あ、それから今回の取材の謝礼もいらないから。こう言っちゃ申し訳ないけれど、大した金額でないでしょう。私は大家の収入があるから。ファクスがもったいないのよ。A4の用紙にたった1行で、余白ばかりの通知が2枚送られてくる。お宅の会社と銀行の2カ所から。「振り込みました」「振り込まれました」って。紙とインクリボンを消耗するじゃない。ときどきファクスを7枚も8枚も送ってくる人もいるけど、「すみません。今度送るときは表紙はいりませんから。A4、1枚にまとめてください」って言うの。インクリボンをむだに使って、取り換えるのは億劫じゃない。

●いつ逝ってもいい準備

 病気をしてから、いつ逝ってもいいように、自分の周りを身軽にしておきたいという思いが強くなったのはあるわね。朝はひとしきり掃除することから始まる。ぐちゃぐちゃしているのを見るのが好きでないの。でも、ものがなければ簡単よ。
 女優だけれど、靴は5足しか持っていない。雨用の長靴と山登り用のスニーカー。それに黒と茶と赤の革靴。化粧品もリップクリームだけ。顔には何もつけない。シャンプーもしないわね。仕事で色々つけられてベタベタになったときは床屋さんに行く。手早いから好きなのね。

 いま着ている上着の背中が縦に切れているのは太っちゃったから。切ったの。端をまつろうと思ったけど、さっき人が来てできなかったのね。服もボロボロになるまで着てお終いにする。

(構成/編集部・石田かおる)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180916-00000017-sasahi-ent&p=2

続く



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by kkagayaki2 | 2018-09-16 22:51 | テレビ 映画

曇り空の中に太陽

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昨日は1日何だかんだと忙しい日でした。

やっと落ち着いて観た映画は、
「ユナイテッド93」
恐怖と緊迫感でいっぱいでした。
現実に起きたこと。乗客全員死亡、辛かった。
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  • 2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ。ハイジャックされた4機のうち、2機がワールド・トレード・センターに激突、3機目は国防総省ペンタゴンに墜落。そして4機目、ユナイテッド93は目標に到達することなく墜落した――。ハイジャックに遭った40名の乗員・乗客たちは死傷者が出て混乱しながらも、犯人の要求さえ叶えば解放されるはず…とも思っていた。
  • 解説つづき

    しかしそれが自爆テロだと判り…絶望する。それでもこれ以上の犠牲を出さないため、そして自分たちが助かる可能性だけを信じ…愛する者に最後のメッセージを残し彼らはテロリストに立ち向かっていく――。機内だけでなく地上の航空関係者たちの混乱、緊迫のやり取りを極限の臨場感で描き出した衝撃のノンフィクション。監督は『ボーン・アルティメイタム』『ジェイソン・ボーン』のポール・グリーングラス。(2006年/アメリカ)




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by kkagayaki2 | 2018-09-13 06:06 | テレビ 映画

映画 「セッション」

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映画『セッション』(原題:Whiplash)、本当に素晴らしい映画だった。



興奮したし、泣いた。アカデミー賞の助演男優賞・編集賞・録音賞を受賞しているにも関わらず、日本では上映館数が極端に少ないのが非常に悔しい。

私が住む長崎でも上映予定が無く、九州では福岡と沖縄のみという大参事。事前の情報や予告を観て期待値がうなぎ上りだったが長崎では上映が無いと知って落胆。福岡への遠征を考えていたところ、filmarks主催の青山シアターでのオンライン試写会を知り、なんとこれに見事当選。

スクリーンでないのは惜しいが、自宅で公開1週間前に鑑賞。PCをHDMIケーブルで40型のTVに繋ぎ、部屋を暗くして、ヘッドホンを爆音に。まさに鳥肌と興奮と涙の106分だった。



以下は、映画『セッション』のレビュー&感想&解説。

事前の宣伝でも謳われているとおり、ラスト9分19秒の展開が非常に素晴らしい!・・・が、これはぜひ内容を知らずに臨んで欲しいので、レビューの前半はネタバレなし、後半にネタバレ込み、という形で書きます。

私事ですが、小学生の頃からずっと吹奏楽で打楽器をやっていたので、その音楽経験者としての感想も交えながら・・・。




シンプルさと狂気の熱演、『セッション』の概要



『セッション』の何が素晴らしいかを挙げていけばきりが無いのだけど、まずはその洗練された必要最低限の作り、コンパクトさに尽きる。



上映時間はわずか106分という短さ。登場人物も舞台も極端に少なく、物語も時系列に一本道。これだけ書くと薄味な映画に思えてしまうかもしれないが、この非常にシンプルなレールの上に極上の物語と演出が配置されているのだ。

結果として、とても観やすく、良い意味で頭を空っぽにして臨める。事前の予習や予備知識なんかは不要。音楽の経験も必要ない。ただ、この106分に身を投じれば良いのだ。



物語は、主人公アンドリュー・ニーマンがドラムを叩くシーンから始まる。彼は名門音楽大学に通う学生で、将来偉大な音楽家になる事を目指して練習に励む。そこに現れたのが指揮者であり教官のテレンス・フレッチャー。大きな声で厳しく彼の演奏にダメ出しをする。

その後、フレッチャーの指揮するバンドにドラマーとして招待されたニーマンだったが、彼の常軌を逸した恫喝と暴力の指導に、次第に音楽家を目指し俗世を捨てていくことに・・・。傲慢さと野心が見え隠れするニーマンに対し、一貫して厳しい指導を続けるフレッチャー。彼ら2人の戦いは、思わぬ着地を迎える事になる。



基本的に教官と生徒の1対1の物語なので、物語の構造は非常にシンプル。他のキャストは、主人公の恋人と父親、ライバルとなるドラマー数人、程度だったかな。舞台も、練習をする大学と発表会やコンサートの舞台が数か所。それと主人公の実家にデート先が数点。本当にこれだけ。

それもそのはず、本作の製作費はわずか3億。驚異の低予算でアカデミー賞3部門を受賞したと、世界的にも話題を集めているのだ。



主役のアンドリュー・ニーマンを演じるのはマイルズ・テラー。決して突出したイケメンではないのだけど、今作『セッション』における彼の演技は凄まじい。ナチュラルに狂っていくその才能と傲慢さ。少しオタクっぽい風貌が、音楽に懸ける学生としての説得力を持っている。



鬼教官テレンス・フレッチャーを演じるのはJ・K・シモンズ。個人的にはライミ版『スパイダーマン』の編集長でお馴染み。彼の演技は本当に狂気の極致。怒り狂ったかと思えば、優しい笑顔もあったり、でもやっぱり怖かったり。飴と鞭というより、鞭と鞭と鞭とたまに少量の飴、といった感じ。観ているこっちの鳥肌が立ち、心臓を掴まれる。このフレッチャーというキャラクターの信条が物語のキモなのだが、それを見事に成立させる熱演だった。



監督のデミアン・チャゼルは弱冠28歳。自身がジャズドラマーを目指していた経験があり、それがこの映画に活かされたとか。脚本も兼任しており、彼のシナリオが2012年のブラックリスト(映画化されていない脚本のなかでも特に優れた脚本のリスト)に載ったことで映画化に繋がったという背景も面白い。詳しくは後述するが、確かに音楽経験者だからこそ撮れた画や演出に溢れていたな、と。




ウィップラッシュ
ハンク・レヴィ
サウンドトラック
¥250


provided courtesy of iTunes


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本当は観たくない、音楽という狂った世界



私が『セッション』になぜ憑りつかれたかというと、この映画が音楽界の歪な情景を見事に切り取っているからだ。

音楽、そして音楽家を目指す者の人生は、本当に狂っている。私自身、小学生の頃から社会人バンドまでずっと吹奏楽で打楽器をやっていたし、弟はプロの音楽家を目指して留学をした。音楽の世界で奮闘する者の苦悩には、少しだけ理解があるつもりだ。



音楽家を目指すというのは、相当な博打。仮に才能があったとしても、それに何倍もの努力を重ねて、更に運があってやっと成功のほんの一片が見えるか見えないか。本当に狂った世界であり、表現は悪いが、普通であれば志さない。やめておいた方が良い。人生においてハイリスクすぎるからだ。

更に、音楽家を目指すということは、莫大なお金がかかる。楽器、練習場所、指導料。それだけの時間とお金をかけても、夢破れて音楽を諦める人が世界中に大勢いる。夢を追うのはどのジャンルでも難しいのだろうけど、こと音楽については、本当に異質で狂っていると断言したい。



そして、周囲からの理解も難しい。『セッション』劇中でも、主人公は音楽をやっている事を半ば馬鹿にされてしまう。「良いか悪いかは評価する人のセンスなんだろ? そんなの運じゃないか」。スポーツとは違い音楽は、明確な得点が積み上がる世界ではない。だからこそやりがいがあるし、だからこそ辛い。そして、名門チームの二軍でプレーするアメフト選手の方が、名門大学の一流バンドで叩く専任ドラマーよりはるかに評価されてしまう。

音楽の「すごい」や「うまい」というのは、中々それをやったことが無い人には伝わらないものだ。分かり易く伝えるための数的データもない。孤独に狂った世界なのだ。



主人公ニーマンも、そんな世界に身を投じている。

やってもやっても届かない技術、周囲からの冷ややかな目線、理解を得られない信条。彼の野心はフレッチャーの指導を受け、やがて傲慢さに変わっていく。偉大な音楽家になるためには、全てを捨てていかなければならない。寝る間を惜しんでドラムを叩き、手を血だらけにし、何度も絆創膏を貼っては氷水で冷やす。画面から伝わるその「痛さ」に、思わず顔をしかめてしまう。

彼の孤独で前しか見ない戦いが、見事に画面に展開されていくのだ。ああ、こいつ狂っていくな、常軌を逸していくな、と観ているこっちが心配になっていく。でも、だからこそ報われて欲しい。この、努力を超えた努力の成果が観たくてたまらなくなる。




練習
Justin Hurwitz
サウンドトラック
¥250


provided courtesy of iTunes


画面全体の明度が極端に低く、暗いシーンが連発。まるでニーマンの心情を投影したかのよう。

そして何より、バンド全員で行う全体練習の演出が素晴らしい。指揮者が指揮を始める前のあの一瞬の緊張感。空気が張りつめて、全員の視線が指揮者に集中して、まるで空気中のホコリが床に落ちる音まで聞こえるような、あのヒリヒリしたほんの一瞬。あの瞬間を、この『セッション』は見事に表現している。

それは、楽器を構えたキャストの額の脂汗がくっきりと視認できる程に寄ったカメラアングルに、音の無い音、そして何よりJ・K・シモンズの強烈な眼光によるものだ。厳しい指導者が始める合奏練習は、本当にあそこまで張りつめる。空気が凍るのだ。



私は小学生の頃から吹奏楽をやっているが、当時とても怖い先生に教わっていた。というか、今でいうと一発で教育委員会にクレームがいくほどの、暴力教師だ。

長い定規で頭をぶたれるのは毎日のことで、演奏中に間違えたら指揮棒が飛んでくるし、げんこつなんか当たり前だし、正座させられた状態でもみあげを引っ張り上げられたりもした。土日も夏休みも無く、休日も朝から夕方までひたすら練習。家に帰っても練習。そしてまた怒られるの繰り返し。何度も練習中に泣いたし、嫌で嫌で仕方がなかったし、その先生に本気で死んでほしいとすら思ったことがある。というより、当時は毎日のようにそれに近い感情を抱いていた。

しかし、私のいたバンドは全国大会の常連校だった。結果はついてきたのだ。そしてそれから20年以上経った今では、その先生が生涯の恩師だと思っているし、頻繁に連絡を取り合う仲になっている。



これは、決して、音楽指導における体罰やいきすぎた指導を肯定する話ではない。

しかし音楽というのは、こういう歪な師弟関係や指導が「あり得る」フィールドなのだ。往々にして、「あり得る」。『セッション』の師弟2人のやり取りも、あの強烈な指導も、決してフィクションではない。あれは紛れもなく、あの世界にある真実なのだ。

物語としてはもちろん創作だが、デミアン・チャゼル監督自らのジャズドラムの鍛錬の経験が(本作のように厳しい指導を受けた経験が)、この映画には確実に活きている。



異質な関係や指導が「あり得る」ほどに歪で狂った音楽界。それを見事に表現したこの『セッション』は、俗にいう“リアル”な映画なのだ。少なくとも、20年以上音楽をやってきた私には、そう感じることが出来た。



本編中盤、フレッチャーが彼の本心を吐露するシーンがある。「危険なのは、上出来(グッジョブ)という言葉だ」。狂気の天才はいつだって“不十分”の烙印を押され、それを跳ね除けようとして努力を重ねてきた。そこで諦め潰えた者は、成功しない。彼の音楽指導における哲学が、ひいては人生哲学に繋がる印象的なシーンだ。

前述したように、音楽指導というのは、非常に屈折した行為だ。それがまかり通ってしまうことが、本当はおかしい。しかし、あそこまで常軌を逸した指導がもしかしたら「是」なのではないか、と思えてしまう程に、この『セッション』の空気感は絶妙だ。観客が、“狂気に慣れて”しまえる。映画に、狂気に対する説得力がある。そのパワーに、頭がクラクラしてしまうのだ。



そしてその狂った師弟関係が、奇妙な絆に変化し、ラスト9分19秒に繋がっていく。この瞬間、涙が止まらないのだ。恫喝の先にあるあのシーンも、あのカットも、あの演技も、全てが昇華されたその先の展開全てが素晴らしいのである。

もはやネタバレを避けるなら「素晴らしい」としか言いようがない。これはぜひ、余計な知識を入れずに映像で目撃して欲しい。


※以下、本作のネタバレがあります。

なぜ『セッション』のラスト9分19秒は素晴らしいのか?



ラストの展開、それはあのステージでの出来事。

フレッチャーが見せた優しさは完全なフェイク。行き過ぎた指導が露見し大学を辞めさせられた、そんな自らを陥れたニーマンに復讐するため、あえて嘘の選曲を伝え、観客の前で恥をかかせる。

一度離れ離れになった師弟がステージで絆を取り戻す展開かと思ったら大間違い!フレッチャーが本番直前に「お前だろ」と告げた辺りから完全に脳みそグラグラ。観ているこっちも「え?」と冷や汗が出る中、他の演奏者が次々と別の楽譜をめくり出す。あの焦燥感は半端じゃない。

それでいて、演奏が始まると何とか食らいつこうとするニーマンが非常に滑稽。横の弦バス奏者に「何やってるんだ!?」と言われるも、だってどうしようもないのだ。あの数分間は非常に怖かった。どんなにドラムを叩こうも、曲と合わない。一応“それっぽく”合わせようとすればするほど、見苦しさが増すというあのジレンマ。もう、正直観てられなかった。



そして、訪れる敗北。フレッチャーの、自分自身のステージでもあるのにそれをあえて失敗にしてまで復讐するその徹底ぶりに頭が下がる。

ステージから満身創痍で身を引くニーマン。抱きかかえる父。「お前はよくやった」。ほくそ笑むフレッチャー。ここでニーマンが何を思い、何を決心したのか、考えると面白い。彼はフレッチャーの本心や信条を、すでに知っている。どこまで彼の意図を汲み取ったのか、どこまで理解したのか分からない。また、今回のはもしかしたら単純な復讐劇なのかもしれない。ニーマンが「どこ」まで考えを巡らせたのか非常に興味深いが、彼はまたステージに戻っていく。フラフラと。



フレッチャーはマイクを持ち、観客に対して説明している。「次はゆっくりした曲を・・・」と言いかけたその時、ニーマンのドラムが炸裂する。

たった1人での、ドラムソロ。しかも、“ゆっくりした曲”だなんて絶対にあり得ないそのテンポ。仰天する他の奏者に、目を見張るフレッチャー。彼がニーマンを脅すも、聞く耳を持たずドラムを叩き続ける。「合図する!」。横の弦バス奏者にニーマンの決意の眼光が飛ぶ。

ここで、観ているこっちは物語の落とし所を完全に見失う。まさかの展開なのだ。以前ステージ上でフレッチャーに殴りかかったニーマンだが、彼の2度目の反抗は拳ではなく、ドラムだった。




キャラバン
John Wasson
サウンドトラック
¥250


provided courtesy of iTunes


そして、彼の狂気の演奏が周囲を巻き込み、他の奏者もそれに従うしかなくなる展開。まさに「ねじ伏せる」。ニーマンはその驚異的なテクニックと覇気により、周囲を強制的に演奏に連行していく。あのフレッチャーですらその曲に合わせて指揮をするしかない。

弦バスのビートが入り、ピアノが続き、遂に「キャラバン」のイントロに入った瞬間のあのカタルシスったらない。ニーマンのフレッチャーへの復讐が、最も“正当な”方法で達成された瞬間なのだ。

まさにこの数分間に、復讐劇が交差する構成になっている。フレッチャーからニーマンへの、ニーマンからフレッチャーへの、互いの復讐がクリティカルにヒットするのだ。しかもニーマンのは、この映画で終始求め続けられた圧倒的なまでのドラムテクニックによる復讐だ。これで痺れない人がいるだろうか!



「キャラバン」の序盤、仕方なくこの曲の指揮に収まる事にしたフレッチャーは「お前を殺す」とニーマンに囁く。そして、ここから!ここからの!J・K・シモンズの演技が本当に素晴らしい。全ては表情の演技だ。彼は気付いていく、ニーマンが仕掛けたこの「キャラバン」が素晴らしい演奏に到達しつつあることに。ニーマンのテクニックが、パワーが、他の演奏者を見事に引っ張り上げ、バンド全体が何段階も高い次元に到達しようとしている。

J・K・シモンズの表情のひとつひとつから、それを読み取る事が出来る。彼の、認めたくない満足感、それでもこの演奏に納得してしまう音楽家としての性、そのジレンマが読み取れる表情が完璧なのだ。



演奏中盤、管楽器の矢継ぎ早のリズムとドラムソロが何度も交互に行われるフレーズがある。管楽器が「タラッタラッタラッタラ!」と鳴らすと、ドラムが「ドカドカドカ!」とソロで返す(「セッション サウンドトラック」収録「キャラバン」3:43~)。

これが何度も繰り返されるくだりで、フレッチャーはとても楽しげに指揮をしているのだ。両手の人差し指を交互に前に指して、この「キャラバン」を指揮する事を純粋に楽しんでいる。

ここ!ここなのだ!もうここで泣く!ニーマンの演奏が、あのフレッチャーを楽しませたのだ!あの鬼教官を、純粋に指揮する楽しさに導いたのだ!もはやこの一瞬で、ニーマンはフレッチャーの指導を超越している。弟子が、師匠の教えを超え、還元している。一瞬前まで復讐し合っていた2人が、この瞬間、確かに同時に音楽を楽しんでいるのだ。

しかし、これはまだこの映画の最高到達点ではないのだから恐ろしい。



そして、やがて「キャラバン」が終わる。が、ニーマンのドラムは鳴り止まない。彼のドラムは怒涛の勢いのまま続いていく。演奏に没頭し満足感を得ていたフレッチャーも、ここで流石に焦りを覚える。しかしニーマンはまたもや「合図する!」と。ここで、フレッチャーは彼の意図を察するのだ。



ニーマンのドラムソロは続く。叩き続け、叩き続け、リズムを超越し、息と意識が薄くなる。もはや何を叩いて何をしているのか分からなくなる程に、彼の意識は高次元に達していく。あれぞまさに“ドラマーズ・ハイ”な状況だ。

しかし、意識が飛びそうになる彼の手綱を握るのは、フレッチャーだ。彼がドラムのそばに歩み寄り、ニーマンのソロを見守り、そして指導する。この瞬間、他の演奏者も、ホールの観客も、もはや2人には見えていない。それは本編最初のシーンと同じく、まるで2人きりの練習室だ。あの1対1の戦いが、もっともっと高い次元で、あろうことか本番のステージで再現されていく。

そして、今回ニーマンはフレッチャーの要求にことごとく応えていくのだ。



そして!ここ!ここだ!ここがこの映画の最高到達点!ニーマンのあまりのドラムソロと強打によりスタンドの接続が緩くなり、倒れかけたサスペンドシンバルを、フレッチャーが手に取り、立て直すのだ!彼が!あのフレッチャーが!「大丈夫だ、そのまま続けろ」という表情でニーマンを自然とサポートし、手助けするのだ!



もうこの一瞬で、私は完全に泣いてしまった。ぶわっと、涙が溢れ出てきた。絶え間なく続くドラムソロの最中に、これまでの師弟関係の全てが昇華されたあのシーンを観て、感極まってしまった。

フレッチャーがニーマンをサポートする。手助けをする。ニーマンがドラマーとしてこれまでにない境地に辿り着きつつある事を、鬼教官が認めた何よりの証拠である。彼の教えに、恫喝に、暴力に、ニーマンが完全に応えて、あろうことか師匠を真っ直ぐにねじ伏せた瞬間なのだ。あの一瞬で遂に完成した2人の関係性を思うと、涙が止まらないのだ。



やがて終わりを迎えるドラムソロ。感極まっているのは観客だけでなく、劇中のニーマンとフレッチャーも同様だ。そしてそれはただのドラムソロではない。「キャラバン」はまだ終わっていないのだ。溜めて、溜めて、そして辿り着き、管楽器のハーモニーが「キャラバン」に幕を下ろす。瞬間、『セッション』は終わるのだ。スパッとエンドロールに入る。

お見事!本当に見事である。もうあそこまで行ったら、何かやるだけ野暮なのだ。終わった後の云々なんて、もはや必要ない。ビートで理解しあったのは、ニーマンとフレッチャーだけでなく、観客と『セッション』も同様なのだ。ここでさくっと終わるその潔さが、ラスト9分19秒を唯一無二の素晴らしいシーンに仕立て上げている。



この『セッション』のラストの一連の展開。

まずは師匠から弟子への復讐、そして弟子から師匠への復讐、力技で復讐を遂げる弟子、それを認める師匠。やがて、この「キャラバン」1曲の中で、どん底の状態からこの上ない高みにまで、2人の関係性が構築されていく。

その瞬間、2人はもしかしたら初めて音楽を純粋に楽しんだのだ。本当に見事だ。最高だ。最高としか言いようがない。だからこそ、このラストの展開は素晴らしいのである。



何かを失った訳でも、何かを得た訳でもない。ただ単純に2人が「到達した」からからこそ、そこに届いたからこそ、涙が出る。このラストシーンがあってこそ、『セッション』は唯一無二の傑作になったのだ。




『セッション』オリジナル・サウンドトラック
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結騎 了 (id:slinky_dog_s11) 122日前
——
サッカー観戦の合間に偶然見てしまった。
緊張して見入ってしまった映画は何十年ぶりかな?
師匠と弟子の息詰まる闘い、素晴らしかった。
音響のいい映画館で見たかったです。


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by kkagayaki2 | 2018-06-24 19:04 | テレビ 映画

2001年宇宙の旅

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50年前の映画です。
映画館では二回見ました。
当時と変わらず、圧倒されましたが、
後半の内容を知るべく原作に再度挑戦します。わからなくても後は自分の感性で
想像の世界に浸りたいものです。
2018年1月4日BSプレミアムにて放送
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by kkagayaki2 | 2018-01-07 09:35 | テレビ 映画 | Trackback | Comments(0)

24時間テレビって

見てる人ってどんな人たちなんだろう?
「愛は地球を救う」ではなく、障害者をダシにしてマラソンで身内同士で感動して、出演者はしっかりギャラを貰えるし、だから
「偽りの愛がタレントを救う」じゃないの?
田舎暮しの唱悦‏ @shoetsusato 2時間
2時間前

日テレ24時間テレビ「愛は地球を救う」 
24時間テレビ担当者(自殺未遂)を救う事も出来ず「愛は地球を救う」 は?
自己満足的な障害者感動番組 単なる障害者を見世物小屋に 
欧米チャリティーでは出演者はノーギャラが一般的 日テレは
こんな偽善的番組視聴率ゼロし地上波から放逐だ
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これってどう言う意味、24時間テレビは何をしたいのかわからないよね。身内のことでしょうに。
----
片岡安祐美、元DeNA投手と結婚へ 24時間TVでプロポーズ受け号泣「お願いします!」
内容は省略します。

愛は地球を救いすぎて↓【保守を貫く『日本第一党』】どぼん‏ @dbn50 9時間
「愛は地球を救ったつもりが、助けた発展途上国の多産の人々の子孫に、数百年後少産の日本は数で侵略される」になると思う。
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皆もうわかってしまいましたよ。
いつまで続ける気でしょうか?


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by kkagayaki2 | 2017-08-27 21:15 | テレビ 映画 | Trackback | Comments(0)

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元祖ジャニーズを知ってる
おばちゃんも言いたいことがあるけど、明日はゴホゴホ咳しながらでも
ケジメつけに行かなきゃ。
今日はここまで。

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by kkagayaki2 | 2016-01-18 22:59 | テレビ 映画 | Trackback | Comments(0)

上田城に行ってみたい!

大河ドラマ久々に見ました。
現代語が多い、おちゃらけが多い。
織田信長はないわ、結婚四度目の人って知ってしまったら、そっちに気が取られてね。

それでも見たいと、来週が待ち遠しい大河はほ~んと久しぶり。
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こちらは上田城、春も秋も美しい!
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風邪が悪化して咳がなかなか止まらず、横になって見ていた。
明日は仕事。行けるかな?

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by kkagayaki2 | 2016-01-10 21:24 | テレビ 映画 | Trackback | Comments(0)